そろそろナナフシの糞について語ろうか

 ナナフシの糞はあまり不潔な感じがしない。木の葉の繊維を固めたペレット状で、完全無臭だ。彼女らの糞に比べて、我々人間の糞の何と不潔なことか。

 さて、このナナフシの糞、マレーシアのある地方では熱いお湯を注ぎお茶にして飲むらしい。Paul D. Brock先生の本によれば、グァバを食べさせたナナフシの糞を利用するようだ。一種のグァバ茶であるが、ナナフシの消化酵素の働きや腸内細菌による発酵によって、まろやかな風味が加わるのではないかと推測する。
   
 生き物の糞を利用した飲み物といえば、「コピ・ルアック」というインドネシアのコーヒーがある。コピ・ルアックは、コーヒー豆を食べたジャコウネコの糞から採られる、未消化のコーヒー豆である。ジャコウネコの分泌物は香水の原料としても用いられることがあるそうなので、コーヒーにも良い香りを添えるのだろうか。コピ・ルアックはその希少価値から、世界最高値のコーヒー豆らしい。このコーヒーは、映画「最高の人生の見つけ方」にも登場したので、ご覧になった方もおられるだろう。

 また、開高健先生のエッセイ集「最後の晩餐」によれば、四川料理には「蚊の目玉のスープ」があるそうだ。これは、蚊を食べるコウモリの糞を洞窟で採取した後、水でよく洗って未消化の蚊の目玉を集め、スープ仕立てにしたものだ。糞の中の蚊の目玉を食べてみようという発想はいったいどうやったら思い付くのか。

 ワタシもナナフシの糞を集めて天日乾燥させ、熱いお湯を注いでみようかとも思うのだが、どうも実行が憚られる。なんだか超えてはいけない一線のような気がするのである。

世界一高価で希少なコーヒー インドネシア コピ・ルアック焙煎したて100g(豆): なんとコピ・ルアックがアマゾンで買えるとは!しかし、蚊の目玉はまだ買えないようです。
最高の人生の見つけ方 [DVD]: 死を扱った映画ですが、見終わった後は幸せな気持ちになります。
最後の晩餐 (文春文庫 か 1-5)開高健先生の面白すぎるエッセイ。


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