ナナフシ食草ノオト(9 )クサイチゴ

 ゴールデンウィーク中にナナフシモドキ採集に行ったときに、山道の傍でクサイチゴの群落を見つけた。クサイチゴはバラ科の落葉低木だが、背の高さは30cm位と低く、木というよりも草のように見える。

 葉も草のような質感で比較的柔らかくて、3-5枚の小さな葉(小葉)が集まって出来ている。一番先端の小葉(頭小葉という)が他の小葉より大きいのが特徴。
 
 クサイチゴは美しい白い花を咲かせていた。比較的大きな花なので、春の山ではかなり目立つ。花びらは1週間程度で落ちてしまうようだ。初夏には赤橙色の果実ができ、味がよいとのことなので、ぜひ食べてみたい。
  

 クサイチゴはナナフシのとてもよい食草だ。トゲナナフシ・アマミナナフシともに、クサイチゴの葉をよく食べる。これは、クサイチゴの葉が柔らかく食べやすいからではないかと思う。また、日持ちが比較的よいのもクサイチゴの長所。オアシスに挿しておけば、1-2週間は萎れない。
  
 クサイチゴの葉や茎が柔らかいために困ることもある。茎が柔らかいので、ナナフシが葉よりも先に茎を齧り始めることがあるのだ。茎を先に食べてしまうと、その先の葉が落ちてしまうので無駄が多くなる。

 現在、クサイチゴを鉢植えと水耕の2つの方法で育てているが、水耕栽培でも結構育ちそうな感触がある。寒さにも強いようだし、背が低く栽培スペースをとらないので、冬には室内水耕栽培をしてナナフシ食草として使おうと考えている。
  写真右クサイチゴ、左モミジイチゴ 

 なお、クサイチゴから園芸用の栽培品種もつくられている。マイラビット・湘南キイチゴ・プチルビーは、クサイチゴ系のキイチゴだ。なかでもプチルビーはとても大きな実を付ける面白い品種だ。近くのショップで販売されていたので、いずれ栽培してみよう。