ノイバラに集まる虫たち

週末のランニング。薄曇りで日差しが強くないので、河原を走ることにしました。朝6:30に自宅を出発。市内のA川に沿って遊歩道を下流に向かって走っていきます。河原には、2週間前のランニング時には見られなかった白い花がそこかしこに咲いています。

 

ノイバラです。野生のバラで鋭い棘があります。何か面白い虫はいないかなと近づいてみると、花の周囲をブンブンと虫が飛び回っています。

 

クマンバチです。何匹もが花の周りを飛び回って蜜を集めています。ノイバラには他の虫も引き寄せられていました。

 

この虫、カミキリムシかと思いましたが、後で調べてみたらジョウカイボンという甲虫みたいですね。カミキリムシではなくて、ホタルに近い仲間とのこと。肉食の昆虫だそうで、ノイバラについたアブラムシを食べにきているのかもしれません。ジョウカイボン、面白そうな昆虫です。そのうち飼ってみたいと思います。本日のランニングの途中、何匹もみかけたので採集は容易そう。

 

ジョウカイボンの左下にはテントウムシの幼虫も写っています。これもアブラムシを食べにきたのでしょう。テントウムシ幼虫はかなりの数みられました。

 

今朝は気温が比較的低く14℃。もう少し温かくなるとあの虫もやってくるのではないかと思いながら観察を続けると・・・

 

あの虫を発見!ハナムグリです。先日、他所で見つけたコアオハナムグリよりかなり大きい。シロテンハナムグリだと思います。

 

とても美しい昆虫です。せっかくなので飼育してみることにしました。

 

ところで、ノイバラは昆虫を集める力が強いですね。鉢植えにして菜園においてみると良いかもしれません。

 

 

 

 

 

ニホントカゲさんの入浴

日光浴(バスキング)をしているニホントカゲさん

ずいぶんと皮膚がカサカサしているようです。脱皮不全防止のためにそろそろやらないといけないですかね。

 

入浴タイム!!

プラケに少量いれた温水に入ってもらいます。

 

しばらくして体を優しく擦ると

かなりの量の古い皮膚(鱗)が取れてきました。

ついでに伸びてきた爪もカット。

 

こころなしか気持ちよさげに見えるニホントカゲさん。

 

トカゲさんは清潔環境を保つため、我が家では乾燥した床材で飼育しています。3年間が経過しましたが、ときどき入浴してもらうことで健康に過ごしています。

 

しくじりノオト2022 その1「トゲナナフシ」

春になってゾウムシやハナムグリの飼育が始まり、ずいぶん気分が浮かれています。少し気持ちを落ち着けて、昨年(2021年)秋から今春までの失敗の反省を行っておきましょう。

しくじりノオトその1は「トゲナナフシ飼育」です。10年間にわたって続けてきたトゲナナフシ飼育、とうとうストップしてしまいました。それも私の注意不足が原因で。

(トゲナナフシ 2017年の写真)

 

室内で飼育しているトゲナナは、毎年12月~1月に孵化しました。今年は1月末にはっと気付いたときには、すでに幼虫がタマゴケースの中で孵化していて、エサがないため全滅していました。孵化のタイミングを失念してしまったのには、世の中を変えてしまった例の病気が関係しているのですが、ここでは多くを語りますまい。うぬぬ、残念です。なんらかのリマインダーを設けておくべきでした。

(タマゴケースと孵化した幼虫 2016年)

 

死亡した幼虫は2013年に採集した成虫から代が続いていたものです。また2017年からはシルクメートのみを餌として飼育していました。

(シルクメートとトゲナナフシ 2021年)

 

トゲナナフシは子供のころに出会って、その姿に驚かされた思い出の昆虫です。飼育を始めた頃は心ときめいていました。しかし、10年も飼育を続けるうちにマンネリ化していたことも、今回の注意不足の原因になっていると思います。失って初めてわかる、身近にいる愛しきもの大切さ・・・(泣)。

 

書いているうちに、失敗の振り返りというより、ずいぶん感傷的になってしまいました。今後、トゲナナフシを飼育することは多分ないと思いますが、いろいろなことを教えてくれた素晴らしい昆虫でした。今後は野外で出会いたいものです。

 

春のゾウムシさん採集

ルーチーンになっている週末のランニング。今日は起床時間がやや遅くなったので、日差しを避けるために林道を走ることにしました。ついでに、本日のテーマを「昨秋にゾウムシを採集した場所を確認してみること」に。福井市内のA山、T山を目指して出発です。時刻は6:30 天気は快晴。

 

ゾウムシさんが集まるクズの葉を確認していきます。山に自生しているクズは河原など平地よりも成長が遅いようです。葉はまだ少ないですが、蔓(つる)を伸ばして周囲の木々の上に這い出しています。木々を支柱として成長し、覆いかぶさるように葉を広げる戦略でしょう。

 

まずはクズの葉の近くで、小さなコフキゾウムシを見つけました。正直、今日はゾウムシをみつける可能性は低いと思っていました。うれしい発見です。成虫で越冬はしないようなのですが、もう羽化してきたのでしょうか。

(ところで家で写真を拡大してみると羽根が左右に分かれているようです。コフキゾウムシは翅が退化して癒合していると思っていました。急に自信が無くなりました。もしかして別の虫かもしれません。)

 

続いてオジロアシナガゾウムシをクズの蔓の上で発見。これは越冬成虫でしょう。

 

その近くで嬉しい発見がありました。シロコブゾウムシです!!クズの葉を齧っていました。現在注目している昆虫なので大興奮です。

 

シロコブゾウムシが成虫で越冬するかどうか、はっきり記載された文献がないのですが、越冬成虫ではないでしょうか。理由は、比較的体が大きいのに気温の低い山中で早くから発生していること。また、飼育中のシロコブゾウムシが容易に越冬しているからです。このゾウムシさんは自宅にお迎えすることにしました。

 

結局、山中を中心に15㎞あまりも走ってしまったのですが、まったく疲れを感じない楽しいランニングとなりました。

意外と難しい?アオドウガネ飼育

飼育中のアオドウガネです。昨年夏から成虫の飼育を始め、多量の幼虫が生まれ、3月から次々と新成虫が羽化しました。簡単に累代飼育できるかと思っていましたが、生殖行動はみられず、次々と成虫は死亡していきました。

 

最近になってこんな姿がみられたので、産卵用の飼育マットを入れることにしました。

 

飼育マットが足りなかったのでプリンカップに詰めて飼育ケースの投入です。昨年は、野外採取のアオドウガネが、この方法で多数産卵しています。

アオドウガネの飼育、累代しようと思うと結構むずかしいのでしょうか。早い時期に羽化させてしまったからかもしれませんが。

 

ついでにヒラタアコガネのケースにも飼育マットを入れておきました。

 

ぶんぶんぶ~ん ハナムグリの幸福なる飛翔

せっかくのゴールデンウィークなんだから外に出かけようと、ツマなる人にせっつかれて、福井県大野市へドライブに行ってきました。「新緑っていいね、癒されるなあ」と言いながらも、昆虫ハンターの私の視線はキョロキョロと落ち着きなく周囲の草花に注がれていたのでした。天気は快晴、午前11時で24℃まで気温が上がっています。


路傍に白い花!温かい春の日には、白い花にあの昆虫がやってくるのではないかと周囲を調べてみると・・・。

 

やはりいました!ハナムグリです。日当たりの良い斜面に咲いた花の周りを何匹ものハナムグリが飛んでいます。しばらく花に止まっては飛び去って行きます。ハナムグリの習性は知っていましたが、実際に何匹も集まっているのをみるのは初めてなので興奮しました。

 

ハナムグリは、陽気の中をぶんぶん飛び回っていて、幸福感が半端なく、見ているこちらの気持ちも明るくなります。しかし、幸福あれば不幸あり。花の影に隠れていたクモに捕まえられてしまったハナムグリがいました。

 

家に持ち帰って調べてたところ、コアオハナムグリのようです。1.5㎝程度の小型のハナムグリ。成虫で越冬できるので、出現時期が比較的早いです。白い花に誘因されるとのこと。今日見た白い花はヤブジラミかと思うのですがよくわかりません。

 

ひとまずこんな具合に飼育セットを組んでみました。今年は小型のコガネムシの仲間を飼育するのが目標なのです。それには理由があるのですが、その話はいずれまた。

 

シロコブゾウムシの産卵 ~春うらら編~

冬を越したシロコブゾウムシさん。

 

枯れたクズの葉を交換しようと取り出してみると


意外にも、折りたたまれた葉の中に卵がみつかりました。昨年の秋には多量に産卵していましたが、飼育下では春にも産卵するんですね。

 

昨年はタマゴが孵化はしたものの、その後は幼虫は早期に全滅してしまいました。幼虫の餌としてニンジン、サツマイモ、草の根、腐葉土などを試したのですが発育しませんでした。冬の間作戦を練っていたので、急遽そのうちのひとつを試してみることにします。使うのはこれです。

 

クロカタゾウムシという昆虫の飼育で最近使用されている、「サツマイモ埋め込み法」です。幼虫の生態は異なるかもしれませんが、やや手詰まりなのでとにかく試してみましょう。まずはサツマイモに爪楊枝で穴を開けて

 

こよりに乗せたタマゴをそっと穴に入れていきます。

 

一つの穴に1~3個入りました。

 

穴に蓋をしたほうがよいかどうかわからなかったのですが、とりあえずご飯粒の糊で入り口を閉鎖。

しばらく様子をみることにします。