ナナフシ食草ノオト(8 )モミジイチゴ

 モミジイチゴは、野山に生える落葉低木だ。葉の形がモミジに似ているのが、名の由来。モミジイチゴはいろいろなナナフシの食草として使える。トゲ・アマミ・モドキ・エダナナフシモミジイチゴをよく食べてくれる。

 福井市内の山にモミジイチゴの観察に出かけた。春のモミジイチゴは、鮮やかな緑色の新しい葉を茂らせていた。古い株の根本から新しい枝(シュート)も伸び始めている。太いアスパラガスのような立派なシュートもあって驚いた。
 
 (左)モミジイチゴの葉 (右)シュート
 モミジイチゴの白い花も見ることができた。花は葉の付け根の部分(葉腋)から1個ずつ、下向きに付いている。下向きに咲いているので、あまり目立たないが、正面から見ると美しい花だ。

 モミジイチゴは、初夏に黄色い実をつける。後日、もう一度この山を訪れて食べてみようと思う。

 最後に、ナナフシ食草としてのモミジイチゴの特徴について書いておこう。モミジイチゴは日持ちが比較的よく、水に挿しておけば1週間くらいは萎れない。食草として一度利用した枝を水に浸けておくと、再び葉が出てくるので、エサが少ない時期に再利用すると良いだろう。また、冬にモミジイチゴの枝を切って枝挿しすると、勢いよく葉が出てくる。冬の緊急時に用いることができる裏ワザである。