秋のニホントビナナフシ採集　 - 101匹のナマズに訊け

　一週間ばかり風邪をひいていたのだが、ようやく体調が回復したので、ナナフシ採集に行くことにした。採集地は福井県勝山市。山はまだ紅葉に染まってはいないものの、木々の葉は濃く暗い色調に変化していて、秋が深まりつつあるのを感じる。
　　
　ミズナラの葉上に、トビナナフシを発見。葉の付け根に向って前肢をピンと伸ばし、残りの脚で体を支えて、じっと静止している。遠くからでも体の側部に黄色い線があるのが見える。ニホントビナナフシだ。枝葉の下にビニール傘を置いて、そっとナナフシを揺り落とした。ニホントビのボディーラインは、黄色い側線があるためか、他のトビナナに比べてくっきりシャープでとても美しい。
　　　　
　　1時間ばかりでニホントビのみ2匹を採集。この採集場所は、以前にヤスマツトビを何匹も採集した場所だが、ヤスマツトビの姿はもうみられなかった。ニホントビとヤスマツトビは同じ場所にすんでいるけれども、孵化から死までのライフスパンが少しずれているのかもしれない。　
　
　採集の帰りに龍双ヶ滝に立ち寄ってみた。龍双ヶ滝は、「日本の滝100選」にも選ばれた美しい滝。とても辺鄙な場所にあり、交通の便が悪いためか、観光客はだれもいなかった。