鯰人よ、「悠々として急げ」

7月某日。曇りときどき雨。気温32℃。

 今日は、偉大な釣師・作家である開高健の記念碑を訪れてみた。この記念碑は、福井県丸岡町一本田にある。開高健の祖父母が一本田出身であることから設立されたという。碑は小さな集落の片隅にひっそりと立っていた。

 

 開高健のエッセイ集は、ワタシが高校生〜大学生時代の愛読書だった。「悠々として急げ」は、開高健自身が気に入っている言葉として人生相談集『風に訊け』等に書かれていたはずだ。確か「漂えども沈まず」も彼の好きな言葉として書かれていたと思う。どちらも鯰人にとって含蓄のある言葉といえるだろう。

 開高先生、ワタシは時間のないときのナマズ釣りにおいても「悠々として急」ぐことを誓います。我がジタバグ、たとえ釣れなくても、「漂えども沈まず」。

 それにしても、本を読んだのは25年近くも前になるのに記憶に残っているとは、言葉のもつ力を思い知らされる。開高健は1989年に58歳で死去したが、彼の生み出した言葉はこれからも鯰人の心に生き続けていくに違いない。

 

風に訊け (集英社文庫)

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私の釣魚大全 (文春文庫 か 1-2)

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