体に特徴がないヤスマツトビナナフシ

 昨日の採集でヤスマツトビナナフシを何匹か見つけたので、同定のポイントをまとめておこう。日本に生息するトビナナフシは、ニホン・シラキ・ヤスマツの3種だが、体に特徴が一番ないのがヤスマツトビナナフシだ。

(1)頭・胸部に特徴的な線がない
 ニホントビナナフシは、頭・胸部の側方に黄色い線がある(写真N 矢印)。一方、シラキトビナナフシは、胸部背側に茶色の一本線が入っている(写真S 矢印)。ヤスマツトビナナフシでは、これらの線がみられない(写真Y)。
  
  
 なお、写真は現在飼育中のナナフシではなく、以前(2003年)に撮影したものを用いた。

(2)腹部にも特徴的な構造がない
 トビナナフシの腹部をみてみよう。ニホンでは、腹部表面に小さな孔がある(写真N 矢印)。シラキでは、この場所にY字型の突起が付いている(写真S 矢印)。ヤスマツでは、これらの構造がない(写真Y)。
 
  
 

(補足)体には特徴が乏しいが、ヤスマツトビナナフシの卵には少し特徴がある。トビナナフシの卵はどれも表面が網目状となっているが、網目がもっとも繊細でないのがヤスマツの卵だ(写真Y)。
  
 

(参考ページ) 思い出のナナフシ -シラキトビナナフシ-