美しき昆虫たち、地味なナナフシ

 石垣島ナナフシを探しながら歩き回って、しみじみと感じたことがあった。それは「国産ナナフシというのは、実に地味な存在だなあ」ということ。石垣島では、優雅に飛翔する美しい蝶をしばしば見かける。悔しいかな、存在の華やかさにおいて、ナナフシは蝶の足元にも及ばないことを認めなければならないだろう。

 さらに悔しいことに、、石垣島では蝶だけでなくカメムシでさえピカピカと輝いていた。 

 これに対して、ナナフシはと言えば・・・
 じみぃ〜
 じみぃ〜
 じみぃ〜

 いや、しかし、地味だから存在価値がないというわけではなく、ナナフシにはナナフシなりの、面白味というか味があるのだ。ナナフシには華麗さこそないが、日本人の心に古くから宿る美意識に訴える魅力があると思う。しかしながら、愛蝶家と甲虫屋さんに羨望と、いくらかの嫉妬を感じた石垣旅行だった。