ナナフシ愛好家のための水耕栽培入門(3):pH(ペーハー)

 先日、ラズベリーの苗を購入し鉢植えにしたのだが、ラズベリー水耕栽培可能かどうか興味が湧いたので調べてみた。まずは、googleで「raspberry・hydroponics」で検索。ラズベリー水耕栽培の情報はweb上にあまり多くない。しかし、水耕栽培を行うことは可能のようで、drip system(培養液を滴下する方法)が最も多く用いられるようだ。

 調べているうちに、培養液のpHについての記述を見つけた。ラズベリー水耕栽培では、培養液のpHは5.8−6.5が良いとのこと。そういえば、いつか培養液のpHを測定しようと思って試薬を買ってあったのだった。ちょうど良い機会なので、水耕栽培中のナワシロイチゴとミニバラの培養液のpHを測ってみることにした。
 
 pH測定には、アクアリストが水質チェックに用いるテトラ pHトロピカル試薬を使用。試料(培養液)に試薬を滴下して、色の変化でpHを推測するタイプの検査キットだ。さっそく測ってみると、ナワシロイチゴ・ミニバラとも培養液の pHは6.0程度だった。手持ちの水耕栽培の本(How-to hydroponics)でも調べてみたところ、バラの至適pH は5.5-6.0、イチゴは 6.0となっていた。

 培養液のpHは、根が栄養を取り入れる能力に影響する。植物ごとに至適pHが決まっているので、ときどき培養液のpHを測定して補正する必要があるそうだ。pH測定には、液体試薬を滴下する方法だけでなく、リトマス試験紙を用いる方法、ポータブルpHメーターを使う方法もある。How-to hydroponicsでは、簡便さからリトマス試験紙の使用を推奨している。

 pHを下げるには硫酸液(H2SO4)などの酸を加え、上げるには水酸化カリウム(KOH)などのアルカリを加える。最近は水耕栽培用のpH調整液も市販されているようだ。pHの変化を少なくするには、こまめに(少なくとも2週間に1回程度は)培養液の交換を行うこと、培養液の量を多くすることが有用だという。

ハンディpH計 M610T: いろいろなpHメータを購入できるようになりましたが、安くて精度の高いものとなるとなかなか難しいようです。