ゾウムシさんのウンコ、ウンコ、ウンコ

昨日に引き続きゾウムシさんの「うんこ」ネタです。ゾウムシさんは、気持ちよく飼える生き物だなあと感じます。その最大の理由は、ウンコが汚くないことです。シロコブゾウムシのウンコは乾燥したペレット状で、全く不潔な感じがしません。素手で掴むのも全然大丈夫な感じ。これに対し、コフキコガネなどのコガネムシ類は、ドロドロウンコで、飼育中に気が滅入ります。

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ウンコの横で死んだふりをするシロコブゾウムシさん

 

体長5mmほどのコフキゾウムシのウンコはどうかといえば

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とっても細かいです。1mm程度であるかないか分からないくらい。

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オジロアシナガゾウムシさんはどうかと飼育ケースの中を調べてみると・・・なんとウンコが見当たりませんでした!!新成虫になったばかりでエサを食べない時期なのか、それとも本来、葉を食べない生き物で茎から汁を吸うだけなのでウンコが出ないのか?不思議です。真相解明のため観察を続けます。

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ウンコと思われたいゾウムシさん

飼育中のゾウムシ・ネタを続けます。オジロアシナガゾウムシさんは白と黒の鮮やかなコントラストの体色をしています。パンダみたいで可愛らしいのですが、実はこれ、鳥の糞に擬態しているんだそうです。

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遠見のゾウムシさんはこんな感じです。

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先日、こんなことがありました。ゾウムシ採集をしていて、「オジロアシナガゾウムシ発見!」と喜びましたが、よく見てみると・・・

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鳥の糞でした。

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鳥たちが糞とオジロアシナガゾウムシを一瞥で見分けるのはきっと困難でしょうね。オジロアシナガゾウムシさんは、トリノフンゾウムシともいえる存在なのでした。トリノフン、トリノフンと呟いていると、それまでゾウムシに感じていた愛らしさが霧散していくのが不思議です。名前って本当に大事ですね。

葉巻を吸うオジロアシナガゾウムシ

飼育中の3種のゾウムシのうち、オジロアシナガゾウムシだけはクズの茎の中に産卵します。このゾウムシさんに産卵してもらおうとすると、なかなか手強そうです。

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産卵場所として、下写真のように飼育ケース内にクズの茎を立ててありますが、他の方法も試してみることにしました。ネットで調べてみると、カミキリムシの飼育方法で参考になりそうなものがありました。本来、カミキリムシは木の枝に産卵するのですが、円筒状に巻いた葉にも産卵させることができます。葉を円筒状に巻いて輪ゴムで留める方法(阿久津1985)や、ろ紙と葉を重ねて円筒形に丸めたもの(伊庭1889)の報告があるようです。

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面白そうなので、葉を筒状に巻いてゾウムシさんに与えてみることにしました。

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身近にあるものでまずは試してみます。以下は方法を忘れないための手順メモです。

(1)クズの葉、ティッシュペーパー、竹串を準備。

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(2)クズの葉の上にティッシュペーパーを置いて、竹串を芯にして巻いていきます。(ティッシュペーパーからの水分補給を考えると、葉の裏側にティッシュを重ねたほうが良いのではないかと予想します。)

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(3)クルクル巻いていきます。

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(3)巻き終わったらホチキスで留めておきます。

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(4)水差しして完成です。

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飼育ケースに入れて見ると10分後にはこんな具合になっていました。3本の葉巻の上に4匹のゾウムシさんがしがみついています。葉巻の中に口を差し入れているようにも見えます。はたして、この葉巻はエサとなるだけなのか、それとも産卵場所となってくれるのか。結果を待ちたいと思います。

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シロコブゾウムシの体色の真実

飼育中のシロコブゾウムシです。白と茶色の体色が、厚みのある体形に実によく似合っています。愛らしさを感じる配色ですね。

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この体色、地肌の色とは違うらしいのです。地肌は黒色で、白や茶色の鱗片を体に纏っているのだとか。下の写真をみると左側に黒いシロコブゾウムシがいますね。多分黒いほうは、鱗片が剥がれ落ちて地肌が露出したゾウムシさんでしょう。羽化して時間が経ったことを意味するのだと思います。

ところで、黒いほうは同じ体形なのに全然可愛くない。カラーコーディネーションの大切さをシロコブゾウムシさんに教えてもらいました。

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オジロアシナガゾウムシの飼育 

ランニング中にクズの葉の上で採集した3象虫の最後は、オジロアシナガゾウムシです。白と黒のコントラストが鮮やかなゾウムシ。

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クズの蔓につかまっていることも多いです。割と簡単に見つかるので、7匹も持ち帰ってしまいました。

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例によってクズの葉を入れた飼育ケースをセッティングしました。他のゾウムシと違う点は、クズの茎を入れたことです。リサーチによれば、オジロアシナガゾウムシはクズの茎に産卵し、孵化した幼虫はこぶ状になった茎の中で発育するそうです。茎を入れておけば産卵するかもしれません。

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仲良くしているペアを一度だけ見つけましたが、それ以外はお互い興味もなさそうに個々で動き回っています。

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はたして今の季節が産卵の時期なのかも分かりません。成虫で越冬との情報があるので、春になってから産卵するのかも。クズの茎につかまっている個体が一匹いたので、1週間くらいしたら茎を取り出して調べてみたいと思います。いずれにしてもライフサイクルを通じての飼育は難しそうな雰囲気です。

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クズの葉の上の3ゾウムシ、それぞれ産卵方法が異なるのは興味深いですね。シロコブゾウムシは折りたたんだ葉の間。コフキゾウムシはバラマキ産卵。そしてオジロアシナガゾウムシは茎の中。3種とも飼育を続け生態を観察したいと思います。

 

コフキゾウムシの飼育 ~驚きの産卵法~

ランニング中に見つけたコフキゾウムシです。体長5mmくらいのとても小さな昆虫です。

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小さなゾウさんを飼ってみるのも一興かと、持ち帰って飼育セットを組みました。クズの葉を入れただけのシンプルなレイアウトです。

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ところで、このコフキゾウムシ、小さすぎて肉眼ではわかりにくいのですが、拡大してみるとなかなか美しい昆虫です。体に淡いグリーンの粉をまとっています。これがコフキゾウムシの名の由来だとか。

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朝なにげなく飼育ケースの中を覗いてみると、クズの葉の上に白く小さなものが見えました。どうもタマゴのようです。葉の上に付着していると思い、葉ごと切り取って孵化ケースに入れようとしたところ・・・葉の上のタマゴはすべて無くなっていました。付着していると思ったのは完全な先入観で、葉の上にばらまかれていただけのようです。

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まさかのバラマキ産卵!気を取り直して、飼育ケースの底に敷いた床材(ペーパーナプキン)を調べてみることにしました。ナプキンを黒画用紙のうえでパタパタと掃ってみると、たくさんのタマゴが見つかりました。白く細かい点がタマゴです。

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かなり小さいタマゴですね。直径0.5mmもありません。しかし、こんな卵をバラマキ産卵して、自然界で生き残れるのでしょうか。ナナフシのタマゴみたいに硬いからで覆われているわけでもなさそうだし。

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タマゴは半分をカブマットにバラまいて経過観察。半分は黒画用紙の上において観察することにしました。

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シロコブゾウムシの飼育 ~産卵の記録~

9月上旬から飼育を始めた3匹のシロコブゾウムシ。

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食草のクズを入れたケースで飼育を始めました。

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飼育開始の翌日にはこんな産卵行動がみられました。折りたたんだクズの葉にお尻をつっこんでいます。

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きれいに折りたたまれていますね。

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3か所折りたたまれている葉もあります。

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中はどんなふうになっているかと開けてみると、タマゴが入っていました。卵を取り囲むように接着剤の跡のようなものが見えます。葉を閉じるためにメスが分泌した糊でしょうか。

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産卵は床材のペーパーナプキンにもされていました。ナプキンの端が折りたたまれています。

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ナプキンを開いてみるとやはりタマゴが入っていました。1.5mmくらいの小さなタマゴです。

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孵化と幼虫飼育の記録は見つけることができなかったのですが、幼虫はマメ科植物の根を食べるという記載がWEBにいくつかありました。孵化後、地面に降りて地中に入ると予想して以下のような孵化セットを組みました。タッパーに敷いたカブマットの上に鉢底ネットを置いて、産卵済の葉やペーパーナプキンの切れ端を載せました。

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どのような結果になるか楽しみです。