アオドウガネのタマゴ採り

ゾウムシネタが続いたので、アオドウガネ飼育について書きます。

f:id:avdk101:20210806053730j:plain

 

アオドウガネ飼育は、いろいろ方法を変えて試みていますが、現在はこんな感じです。目標は、清潔で気持ちよい飼育と、なるべく多くのタマゴを得ることです。床材は針葉樹マット(ヒバ入り消臭マット)に変えました。ヒバの良い匂いがしてケースを開けるのが苦にならないし、アオドウガネの体色が映える色をしているのが良いです。

f:id:avdk101:20210910213716j:plain

 

産卵場所として、200mlカップに4㎝程度カブマットを詰めたものを置いてあります。設置して10日くらい経ったので、産卵されているか調べてみました。すると、マットの底のほうに10個くらいの卵を発見!

f:id:avdk101:20210910213743j:plain

 

針葉樹マットにはさすがに産まないだろうと思っていたのですが、タマゴがちらりと見えたので掘りおこして確認してみると・・・40個くらいありました!2㎝くらいしか敷いていない針葉樹マットに多数産卵。これは驚きです。

f:id:avdk101:20210910213755j:plain

 

アオドウガネは針葉樹マットにも産卵し幼虫が発育ができるのか?それとも産卵場所が足りなくて不本意ながら針葉樹マットに産んでしまったのか?

タマゴはカブマット、針葉樹マットのどちらでも、ある程度の距離を保ってバラバラに産卵されていました。先にカブマットが産卵場所として占拠されてしまい、しかたなく針葉樹マットに産卵されたと予想しますがどうでしょうか。まずは、針葉樹マットでも幼虫が育つかを確認してみます。

 

コウビ時間が長すぎるう

飼育中のシロコブゾウムシです。飼育ケースの中には、このような2匹がいました。仲が良いことだなあと微笑ましく見守っていましたが、3日経ってももこのままでした。えーっ、長すぎじゃないですか?下になっているメスはこの態勢のまま、ケース内を歩き回り、食草のクズをぱくぱく食べています。

f:id:avdk101:20210910195525j:plain

 

どうしてこんなに長いのでしょう?シロコブゾウムシは翅が退化して飛ぶことができません。歩き回ってパートナーを見つけるしかないので、やっと相手を見つけたら何日もくっついているのでしょうか。それでもこんなに長い必要はないような気もします。さっとスパームを渡して、はい終わりでいいじゃないですか。

f:id:avdk101:20210910195538j:plain

 

ところで小さなコフキゾウムシも今の時期、コウビには大変熱心です。下の写真は、2匹くっついたまま擬死(死んだふり)をしているゾウムシさんです。

f:id:avdk101:20210910195600j:plain

 

ゾウムシさんのウンコ、ウンコ、ウンコ

昨日に引き続きゾウムシさんの「うんこ」ネタです。ゾウムシさんは、気持ちよく飼える生き物だなあと感じます。その最大の理由は、ウンコが汚くないことです。シロコブゾウムシのウンコは乾燥したペレット状で、全く不潔な感じがしません。素手で掴むのも全然大丈夫な感じ。これに対し、コフキコガネなどのコガネムシ類は、ドロドロウンコで、飼育中に気が滅入ります。

f:id:avdk101:20210908221615j:plain

ウンコの横で死んだふりをするシロコブゾウムシさん

 

体長5mmほどのコフキゾウムシのウンコはどうかといえば

f:id:avdk101:20210905180058j:plain

 

とっても細かいです。1mm程度であるかないか分からないくらい。

f:id:avdk101:20210908221629j:plain

 

オジロアシナガゾウムシさんはどうかと飼育ケースの中を調べてみると・・・なんとウンコが見当たりませんでした!!新成虫になったばかりでエサを食べない時期なのか、それとも本来、葉を食べない生き物で茎から汁を吸うだけなのでウンコが出ないのか?不思議です。真相解明のため観察を続けます。

f:id:avdk101:20210908213831j:plain

 

 

ウンコと思われたいゾウムシさん

飼育中のゾウムシ・ネタを続けます。オジロアシナガゾウムシさんは白と黒の鮮やかなコントラストの体色をしています。パンダみたいで可愛らしいのですが、実はこれ、鳥の糞に擬態しているんだそうです。

f:id:avdk101:20210908213831j:plain

 

遠見のゾウムシさんはこんな感じです。

f:id:avdk101:20210908213843j:plain

 

先日、こんなことがありました。ゾウムシ採集をしていて、「オジロアシナガゾウムシ発見!」と喜びましたが、よく見てみると・・・

f:id:avdk101:20210908213901j:plain

 

鳥の糞でした。

f:id:avdk101:20210908213921j:plain

 

鳥たちが糞とオジロアシナガゾウムシを一瞥で見分けるのはきっと困難でしょうね。オジロアシナガゾウムシさんは、トリノフンゾウムシともいえる存在なのでした。トリノフン、トリノフンと呟いていると、それまでゾウムシに感じていた愛らしさが霧散していくのが不思議です。名前って本当に大事ですね。

葉巻を吸うオジロアシナガゾウムシ

飼育中の3種のゾウムシのうち、オジロアシナガゾウムシだけはクズの茎の中に産卵します。このゾウムシさんに産卵してもらおうとすると、なかなか手強そうです。

f:id:avdk101:20210904234300j:plain

 

産卵場所として、下写真のように飼育ケース内にクズの茎を立ててありますが、他の方法も試してみることにしました。ネットで調べてみると、カミキリムシの飼育方法で参考になりそうなものがありました。本来、カミキリムシは木の枝に産卵するのですが、円筒状に巻いた葉にも産卵させることができます。葉を円筒状に巻いて輪ゴムで留める方法(阿久津1985)や、ろ紙と葉を重ねて円筒形に丸めたもの(伊庭1889)の報告があるようです。

f:id:avdk101:20210904234330j:plain

 

面白そうなので、葉を筒状に巻いてゾウムシさんに与えてみることにしました。

f:id:avdk101:20210907222808j:plain

 

身近にあるものでまずは試してみます。以下は方法を忘れないための手順メモです。

(1)クズの葉、ティッシュペーパー、竹串を準備。

f:id:avdk101:20210907222831j:plain

 

(2)クズの葉の上にティッシュペーパーを置いて、竹串を芯にして巻いていきます。(ティッシュペーパーからの水分補給を考えると、葉の裏側にティッシュを重ねたほうが良いのではないかと予想します。)

f:id:avdk101:20210907222845j:plain

 

(3)クルクル巻いていきます。

f:id:avdk101:20210907222856j:plain

 

(3)巻き終わったらホチキスで留めておきます。

f:id:avdk101:20210907222904j:plain

 

(4)水差しして完成です。

f:id:avdk101:20210907222915j:plain

 

飼育ケースに入れて見ると10分後にはこんな具合になっていました。3本の葉巻の上に4匹のゾウムシさんがしがみついています。葉巻の中に口を差し入れているようにも見えます。はたして、この葉巻はエサとなるだけなのか、それとも産卵場所となってくれるのか。結果を待ちたいと思います。

f:id:avdk101:20210907222926j:plain

 

シロコブゾウムシの体色の真実

飼育中のシロコブゾウムシです。白と茶色の体色が、厚みのある体形に実によく似合っています。愛らしさを感じる配色ですね。

f:id:avdk101:20210906221952j:plain

 

この体色、地肌の色とは違うらしいのです。地肌は黒色で、白や茶色の鱗片を体に纏っているのだとか。下の写真をみると左側に黒いシロコブゾウムシがいますね。多分黒いほうは、鱗片が剥がれ落ちて地肌が露出したゾウムシさんでしょう。羽化して時間が経ったことを意味するのだと思います。

ところで、黒いほうは同じ体形なのに全然可愛くない。カラーコーディネーションの大切さをシロコブゾウムシさんに教えてもらいました。

f:id:avdk101:20210906222002j:plain

 

オジロアシナガゾウムシの飼育 

ランニング中にクズの葉の上で採集した3象虫の最後は、オジロアシナガゾウムシです。白と黒のコントラストが鮮やかなゾウムシ。

f:id:avdk101:20210904234300j:plain

 

クズの蔓につかまっていることも多いです。割と簡単に見つかるので、7匹も持ち帰ってしまいました。

f:id:avdk101:20210904224212j:plain

 

例によってクズの葉を入れた飼育ケースをセッティングしました。他のゾウムシと違う点は、クズの茎を入れたことです。リサーチによれば、オジロアシナガゾウムシはクズの茎に産卵し、孵化した幼虫はこぶ状になった茎の中で発育するそうです。茎を入れておけば産卵するかもしれません。

f:id:avdk101:20210904234330j:plain

 

仲良くしているペアを一度だけ見つけましたが、それ以外はお互い興味もなさそうに個々で動き回っています。

f:id:avdk101:20210904234401j:plain

 

はたして今の季節が産卵の時期なのかも分かりません。成虫で越冬との情報があるので、春になってから産卵するのかも。クズの茎につかまっている個体が一匹いたので、1週間くらいしたら茎を取り出して調べてみたいと思います。いずれにしてもライフサイクルを通じての飼育は難しそうな雰囲気です。

f:id:avdk101:20210905210232j:plain


クズの葉の上の3ゾウムシ、それぞれ産卵方法が異なるのは興味深いですね。シロコブゾウムシは折りたたんだ葉の間。コフキゾウムシはバラマキ産卵。そしてオジロアシナガゾウムシは茎の中。3種とも飼育を続け生態を観察したいと思います。