ヤスマツSANRAN −遠い目の回顧録−


前回からのつづき)


ヤスマツトビナナフシの継代飼育ができました。
飼育中に気付いたことを書き留めておきます。


 


飼育の最大の難関は
初齢幼虫の期間を乗り越えることでした。
初齢幼虫は非常に小さいので
硬い葉を食べることができません。


  ヤスマツ初齢


前年の秋に採集したクヌギのどんぐりを鉢植えにして
芽吹いた若葉を食べさせようとしたのですが、
冷蔵保存してあった卵を室温に戻す時期が遅かったため
多くの若葉がすでに固くなっていました。

 
  クヌギ鉢植え入り飼育ケース


鉢植えクヌギの柔らかい若葉はわずかしか無かったので、
クリの若葉の枝挿しを与えて初齢期間を乗り切っています。
クリ若葉はすぐ萎れてしまうので、苦労しました。

 
  クヌギ若葉と初齢幼虫


解決法としては、クヌギが芽吹いたらすぐに卵を室温に戻して
柔らかいクヌギ若葉が十分にある時期に孵化させること。
あるいは、クリの鉢植えを作っておいて
十分なクリ若葉を鉢植えのまま初齢に供することでしょうか。
なお、クリはヤスマツさんの食草としてとても有用で、
ほぼ全過程をクリの葉で飼育可能でした(たまにクヌギ、コナラ、シラカシ)。


  クリ若葉の枝挿し


別の方法としては、大きな昆虫と同時飼育するとよいかもしれません。
多少硬い葉でも、大きい昆虫が食痕を作ってくれれば
そこから初齢幼虫は葉を食べることができます。
実際、少し遅れて孵化してきたヤスマツ幼虫は
先に成長していた幼虫の食痕を利用していたようで
すくすくと成長しました。


  ヤスマツ成虫と食痕


同時飼育する昆虫としては、
トゲナナフシ(幼虫)がよさそうです。
トゲナナフシは丈夫でとても飼育しやすいナナフシです。
少し早めにトゲナナフシの飼育を開始し
その食痕をヤスマツ初齢のために用意してみようと思います。


  トゲナナ
 

【ヤスマツ飼育プロジェクト2017】
・ヤスマツさん継代続ける(3代目)
・クリの鉢植えをつくっておく
・トゲナナフシとの同時飼育