ナマズ・フッキングマップ

 9月某日。曇り。気温24度。

 今回は、 新規ポイントに挑戦し、2匹のナマズ(45cm+、60cm;トータル44匹)をキャッチ。実は、最近ナマズのフッキングポイントを記録していた。わずか9匹分のデータだが、ナマズ釣りの参考になりそうなので、紹介したい。

 がフッキングポイント。フックが2本同時に刺さった場合は、フッキングポイントを?でつないで表記している。ルアーは3/5〜5/8oz.ジッターバグ。フックは、リアフックのみで、ダブルフック(Gamakatsu double 21 size4 )にスイベルを挟んで、自由に動くようにしてある。

 このフッキングマップから分かることは、

ナマズのフッキングポイントは口の端(口角部)に集中している。
ナマズの右の口角へのフッキングが多かった。
・口の内側だけでなく、外側からフッキングすることも多い。
ナマズの目の周囲にフッキングすることが意外と多い。

 口の真ん中(正中部)には、硬い歯(tooth pad:図中の黄色表示)が存在しフッキングしないため、口角部に集中したのだろう。口の奥の上部(円蓋部)も硬いので、フッキングしないようである。舌にはフッキングしてもよさそうだが、今回のデータ採取中も、これまでの44匹の経験でも舌へのフッキングはなかった。ナマズの口の正中にはフッキング可能な部分が極めて少ないのである。

 ナマズは乗りにくい(フッキングしにくい)魚として有名だが、この口の中(口腔)の構造が原因となっているのだろう。また、ナマズがバイトし数秒重く感じた後に、スポッとルアーが抜けてしまうことが時々あるが、これは正中部分でルアーを咥えたのに、フッキングする場所がないために、ルアーがすり抜けてしまう現象ではないだろうか。

 フッキングが右の口角に集中したのは、キャスト時の立ち位置と関係しているのかも知れない。右利きの筆者が、ダウンクロスでキャストする場合、上流から下流に向って左の川岸に立つことが多くなる。この立ち位置でリトリーブを行った場合、上流に頭を向けているナマズの前を、ルアーは(ナマズからみて)左から右に向って移動することになる。このルアーにバイトした場合、ナマズの右の口角にフッキングすることが多くなるだろう。

 このデータを、実際の釣りに応用することは可能だろうか。まず、あわせを行うとき、口角部へのフッキングを意識してはどうか。具体的にどうするかは難しいが、水面に対して水平方向のあわせを試してみようと思う。また、フックをルアーの横方向に追加すること(サイド・フック)も有効かもしれない。川岸のどちら側に立つかで、サイド・フックを片方だけ装着するとか。

 いずれにしても、もう少しデータ数を増やして、ナマズ・フッキングマップを作成したいと思います。

(追記)ナマズの右の口角にかかりやすいとすれば、獲物をとらえた後、ナマズが右側へ体をひねることが多いのかもしれない。