写真は2003年に飼っていたナナフシモドキ。ナナフシモドキは、「ナナフシ採集」を行って初めて採集できた思い出深いナナフシだ。
2003年の春に、「プラケースワールド」というwebページを見て、自分でもナナフシを採集してみようと思い立った。しかし、子供の時に偶然トゲナナフシ出会ったことがあるだけで、どこにナナフシが居るのか全く見当が付かなかった。まずは、もっともポピュラーなナナフシであるナナフシモドキを探そうと考え、福井市のクヌギ林をビーティング(枝葉をたたいて虫を落とすこと)をして回った。
5月4日(みどりの日)、晴天。1時間ばかりビーティングを続けたがナナフシは全く見つからない。ネットの上に落ちてくるのは、小さな緑色の蜘蛛ばかりだった。一人きりで採集に行ったのだが、「クマに注意」という立て看板があるような山だったので少しずつ心細くなり、もう諦めて帰ろうかと思い始めたころ・・・
ネットに1cmくらいの小さな虫がくっついていた。よく見ると小さなナナフシ幼虫である。ドキドキと胸の激しい高鳴りがした。昆虫採集にしても釣りにしても、このドキドキの瞬間が最も幸せな時間といえるだろう。この感動を何か言葉にして残しておかねば・・・そこで詠んだのが次の歌である。
君と初めて出会えたから、五月四日はナナフシモドキ記念日
以来、毎年みどりの日には、心の中で密かに「ナナフシモドキ記念日」を祝っている。
さて、採集したナナフシ幼虫は成虫まで育て、産卵・孵化も観察した。しかし、飼育は1年で終わってしまった。食草の確保が困難だったからである。現在ワタシが食草の水耕栽培にこだわっているのはこの時の経験があるからだ。
ナナフシモドキの特徴についても書いておこう。ナナフシモドキは、エダナナフシと似ているが、触覚が短いことが最大の違い。また、ほっそりした体格のエダナナフシに比べて、ナナフシモドキはややずんぐりしている。ナナフシモドキは立派なナナフシの一種なのにモドキと呼ばれて酷いと思ったが、ずんぐりとしたナナフシモドキをみていると、やはりこちらはモドキで仕方ないかなあと妙に納得してしまうのであった。
なお、ナナフシモドキとエダナナフシの卵は全く形が違います。
ナナフシモドキの卵 / エダナナフシの卵
サラダ記念日 (河出文庫―BUNGEI Collection):
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
俵万智さんは、高校の先輩になります。お会いしたことはありませんが。